クランプダイオードで高電位との短絡からマイコンの通信用端子を保護できるのか
マイコンとサーボやセンサー等の間で通信をしているときに、ロボットのフレームに挟まれるなどで短絡してマイコンのシリアル端子が焼けてしまうことが何度かあったので保護回路について考えてみた。
グランドやVCCとの短絡の場合は、マイコンから直接通信線をスイッチングするのではなくFETやバッファICを用いて駆動できる電流を増やして通信線に直列に抵抗を挟めば何とかなる。
問題は電池等からの主電源との短絡だ。ここと通信線が短絡するとマイコンが焼け、周辺のICもまとめて焼けてしまい回路の部品を全交換になりかねない。そこで、主電源と短絡しても生き延びる保護回路を考えてみる。
今回は条件として、
これはKONDOサーボの通信線などだ。
一般的に使われている保護回路はクランプダイオードだ。しかし、今回の場合は適用できないことがわかった。送信に 30 [mA] 程度必要だからだ。
クランプダイオードによる保護回路とは、信号線をダイオードで挟み、信号線の電位がグランドよりも低くなった場合グランドからD2を通して電流が流れて電圧がD2の 0ー順方向電圧 よりも下がらないようにする。逆に信号線がVCCよりも高くなった場合はD1を通して電流が流れて信号線の電圧が VCC+順方向電圧 よりも上がらないようにしている。
ダイオードには Vf が小さいショットキーバリアダイオードが適している。
ここで重要なのが 抵抗R の存在だこれは電流を制限するための抵抗で、ここで電流制限することでダイオードに電流が多く流れないようにしている。そして流れ込む場所はVCCやGNDだ。つまり、VCCやGNDにより高い電圧から多くの電流が流れ込むとVCCの電圧が上がってしまうのだ。電流が小さい場合は三端子レギュレータやコンデンサで吸収できるが、それが多いと吸収できずに電圧が上がる。
しかし、今回は通信に 30 [mA] 必要なので R を大きくする事はできない。実験ではRを 500 [Ω] 程度にしないとVCCが上昇してしまう。よって不可能。うわぁ
まぁ、1対1通信ではそんなに電流がいらないから通信速度を下げれて抵抗値を大きくすれば保護できるからたまにつかうけど。