ホビーロボットに使えそうなサーボ比較(futabaRCサーボ vs KONDOサーボ)
個人的にホビーロボットに使えそうなRCサーボ、コマンドサーボを速度、トルク、重量、価格の観点から比較してみた。
今回は双葉電子工業製サーボ(フタバサーボ)と近藤科学製サーボ(KONDOサーボ)について比較する。
カタログ値について
トルク
この2社のトルク表記はストールトルク(出力軸を固定して一瞬出力できるトルク)であり、このトルクで回転させることはできないし、ずっと保持することもできないので注意が必要。
連続負荷はフタバサーボはストールトルクの20%、KONDOサーボは33%で動作させることを推奨している(問い合わせ済み)。 フタバサーボは20%負荷で連続動作することを確認しているらしい。
経験上、KONDOサーボは新品は一瞬だけカタログ値に近いトルクが出るが発熱等で劣化するのかすぐにトルクが出なくなるが、フタバサーボはある程度使ってもカタログ値のトルクは出る。
出力(カタログ値から想定)
以下にカタログ値を比較した図を示す。表の中の出力は独自に計算したもので、下の図のようにスピードを無負荷回転数、トルクをストールトルクとしてT-N線図を描き、出力ピークを出力とした。単位はW。この出力はメーカーが提示したもではなくカタログ値から想定した計算なので、比較の際の参考程度に留めて欲しい。
また、前述した通り、この出力を連続動作させることはできない。
因みにT-Nが直線になることを想定しているので、回転数が最高回転数の半分、トルクがストールトルクの半分のときが出力が最高になる。
上のグラフの電流と効率は想定で実証していないので注意が必要。
トルク重量比・出力重量比
私がサーボモータの選定をする際に重要な指標として、サーボモータの重量当たりの出力トルクや出力をしめしたトルク重量比、出力重量比がある。 この値が大きいほど性能が高いモータということになる。ただし、発熱や減速機の信頼性も重要なので、この値だけで選定せずに総合的に判断する必要がある。
比較まとめ
スピード・トルク比較
縦軸にスピード、横軸にトルクにした散布図を下に示す。右上に向かうほど出力が高い。必要な速度やトルクが決まっていれば、どのサーボが求める性能に近いかがわかる。
出力・重量比較
次に縦軸に出力[W]、横軸にサーボ重量[g]とした散布図を下に示す。左上に向かうほど出力重量比が高く、性能が良い。モータを単純に大きくすると出力重量比があまり変わらないので右上に向かう直線が引ける。
この図からは、メーカが使用するモータの基本性能が見て取れる。 KONDOサーボは同じような性能のモータのサイズを変更して出力を変更していると想像できる。また、フタバサーボは高性能モータと廉価モータで分けているのかもしれない。
フタバサーボのHPS-CB700、HPS-A700、HPS-H700が群を抜いている。
個別性能一覧
FutabaRCサーボ
フタバRCからHPS(High Performance Servo ?)を選んだ。ブラシレスモータ採用で、高価だが高出力なのが特徴。ただし電流をバカ食いするで注意が必要。
HPSから”HPS-CB700”、”HPS-CT700”、”HPS-A700”、”HPS-HC700”、”HPS-H700”
性能出典:https://www.rc.futaba.co.jp/
KONDOサーボ
KONDOサーボはHPに掲載されているすべてのサーボについて比較してみた。
最近は9000番や5000番が登場して、従来のサーボと異なり、出力軸のセレーションがなくなり、出力軸がI字の出っ張りに変わり直接ねじ止めすることができるようになった。 また、バックドライバビリティが向上しているので効率が向上していると思われる。